純文学のおすすめ作品

短編あり!宮沢賢治のおすすめ作品を初級編・中級編に分けてご紹介

国民的童話作家として知られる宮沢賢治は、独特の世界を描いた作家です。童話と言えど、抽象度が高くて一筋縄ではいかない部分があるため、何から読めば良いか分からない人も多いかと思います。

今回は、宮沢賢治のおすすめ作品を、初級編・中級編に分けてご紹介します!

宮沢賢治ってどんな人?

  • 仏教と農民生活に主軸を置いて創作活動にはげんだ
  • 宗派の違いで父親と対立
  • 故郷の岩手県モチーフにした、「イーハトーブ」という理想郷を作品に登場させた
  • 妹のトシと仲が良かった

賢治は、コスモポリタニズム(理性を持っている人間はみな平等という思想)の持ち主であるため、作品にもその色が出ています。生前はほとんど注目されず、死後に作品が評価されました。

初級編

「とりあえず、有名な作品をさらっと読みたい!」「代表作だけ知っておきたい!」という賢治ビギナー向けに、読んでおけば間違いない作品を4つご紹介します。

①『銀河鉄道の夜』

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ページ数432ページ
出版年1989年
出版社新潮社

孤独な少年・ジョバンニと、その友人のカムパネルラが銀河旅行をするお話です。銀河祭り(瓜を灯籠のように川に流す行事)が行われる日、小学校の子供たちはその話に夢中になっていました。

ところがジョバンニは、その話には加わらずそそくさと校門を出ていきます。ジョバンニの家は貧乏で、アルバイトに行かなければならなかったからです。

日が暮れて丘の上に登ったジョバンニは、満点の星空を眺めます。すると、急に目の前が光に包まれて、ジョバンニは気づくと列車の中にいました。不思議なことに、そこにはカムパネルラもいました。

ジョバンニとカムパネルラが列車に乗せられた驚きの理由は、物語のラストで明らかになります。銀河旅行中の美しい描写が魅力的な反面、若干ホラー要素もある作品です。

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②『注文の多い料理店』

ページ数不明
出版年2018年
出版社金の星社

山に猟に来た2人の紳士が、不思議な料理店に入る物語です。紳士たちは、連れてきた犬が死んでも、利益のことばかり気にして全く悲しまないような人物でした。

そして、2人はある料理店に足を踏み入れます。その店では、「靴の泥を落してください」「金属製の物を外してください」「顔にクリームをぬってください」「香水を髪にふりかけてください」という妙な注文がなされます。

紳士たちは、指示に従ってどんどん進みますが、やがてその料理店の異常さに気が付きます。

紳士たちと同じように、読者も正体不明の不気味なものに近づいている恐怖を感じる作品です。短編なので、読みやすいです。

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③『セロ弾きのゴーシュ』

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ページ数24ページ
出版年2012年
出版社Amazon Services International, Inc.

乱暴な青年・ゴーシュが、動物たちとの交流を通して自分の欠点に気づく物語です。楽団でセロ(チェロのこと)を弾くゴーシュは、演奏について楽長に指導を受けてしまいます。

それに気を悪くしたゴーシュは、やってくる動物につらく当たるのでした。しかし、その中で自分の悪いところと向き合ったゴーシュは自分の態度を改めていきます。

最後の一文について、多くの議論が重ねられています。素直でいることの大切さがよくわかる作品です。

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④『風の又三郎』

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ページ数416ページ
出版年1989年
出版社新潮社

短編の童話です。ある小学校に転校してきた不思議な少年と、地元の子供たちとの交流が描かれます。

三郎という転校生は、髪が赤かったり服が変だったり、少し普通の子供とは違う雰囲気がありました。子供たちは、最初は三郎と仲良くしますが、最終的には三郎を仲間外れにしてしまいます。

「異物は排除する」という人間の心理がかいま見えるとともに、子供たちの無邪気さとそこに潜む脅威が描かれている作品です。

【宮沢賢治】『風の又三郎』のあらすじ・内容解説・感想|朗読音声付き『風の又三郎』は、「どっどど どどうど どどうど どどう 青いくるみも吹きとばせ すっぱいかりんも吹きとばせ」という冒頭が有名です。NH...

中級編

「代表作一通り読んで、もっと他の作品も読んでみたくなった!」「もうにわかは卒業したい!」という人向けに、ここでは少し踏み込んだ作品を3つご紹介します。

①『やまなし』

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ページ数30ページ
出版年不明
出版社デジタル映像工房イズマビジョン

短編の童話です。「クラムボン」という謎の言葉が、読者を悩ませる物語です。カニの兄弟とその父の会話で成り立っていて、カニの親子の日常が描かれます。

「クラムボンはかぷかぷわらったよ」「泡はつぶつぶ流れました」「ぼかぼか流れていくやまなし」「虹がもかもか集まりました」など、とても可愛い擬音語が使われています。川底ののんびりとした風景は、読む人を穏やかな気持ちにさせてくれます。

【宮沢賢治】『やまなし』のあらすじ・内容解説・感想|朗読音声付き『やまなし』は、教科書シェア50%を誇る光村図書の小学6年生の教科書で長年採用されている定番教材です。小学生の頃、「クラムボン」という謎...

②『オツベルと象』

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ページ数46ページ
出版年2014年
出版社好学社

短編の童話です。地主のオツベルが、白象を騙して酷使する物語です。始めこそ楽しく仕事をしていた白象ですが、日に日にオツベルの指示はエスカレートし、ご飯も減らされて、白象はどんどん弱っていきます。

教科書に採用されているので、読んだことがある人が多いと思います。「資本家」と、「資本家に搾取される労働者」という構図が浮かび上がってくる作品です。

【宮沢賢治】『オツベルと象』のあらすじ・内容解説・感想小中学校の教科書で採用されることが多く、馴染みのある人も多い『オツベルと象』。 今回は、宮沢賢治『オツベルと象』のあらすじと内容解...

③『猫の事務所』

ページ数14ページ
出版年不明
出版社Amazon Services International, Inc.

猫の事務所で巻き起こる、いじめがテーマとなっている作品です。猫の第六事務所では、4人の書記と事務長が働いています。第4書記のかま猫は、汚れているせいで他の猫から嫌われていました。

事務長はそれに構わず、かま猫にも優しく接します。しかし、ある日を境にかま猫につらく当たるようになってしまいました。

下書きと完成版を比較したときに、物語の締め方に大きな変更があるのが興味深い物語です。私は、「いじめの根本的な解決は難しい」というメッセージが込められているのではないかと思いました。

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最後に

今回は、宮沢賢治のおすすめ作品を初級編・中級編に分けてご紹介しました。

想像力が試される作品が多いので、言葉から情景をイメージしながら「イーハトーブ」の世界を楽しんでみて下さい!

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yuka
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本が大好きな女子大生です。 図書館にこもって貪るように絵本を読んだ幼稚園児時代、学校の図書室の本を全制覇することを目標にした小学生時代を過ごし、立派な本の虫になりました。
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