三島由紀夫は、生涯で非常に多くの作品を残した作家です。あまりにも作品が多いので、何から読めば良いか分からない人もいるかと思います。
今回は、初心者におすすめしたい三島由紀夫の作品をご紹介します!
三島由紀夫ってどんな人?
三島由紀夫は、1925年(昭和元年)現在の新宿区に生まれました。成績優秀だった彼は、東大法学部を卒業して財務省に入省します。財務省は、現在でも入るのが最も難しい省庁だと言われています。
財務省で働くスーパーエリートとして、彼には輝かしい未来が待っているかのように思われました。ところが三島は、財務省の役人を辞めて小説家になることを決意します。
彼は幼い頃から詩を書いたり物語に触れることが好きで、その才能も周囲に認められていたのでした。
その後、才能を開花させて日本を代表する小説家になり、1970年に45歳で亡くなりました。死因は自殺ですが、なんと切腹自殺をしたのです。
三島は、右翼思想を掲げて政治活動に力を入れていた人物でした。自衛隊を前に憲法改正のクーデタを呼び掛けた後に、近代化以前の武士のごとく花のように散りました。
戦中、終戦、戦後にかけて生きた三島由紀夫。彼の作品には、彼の人生と同じように常識はずれで予想ができない、波乱万丈なものが多いです。
三島由紀夫のおすすめ作品
『仮面の告白』
ページ数 | 281ページ |
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出版年 | 1950年 |
出版社 | 新潮社 |
三島は同性愛者なのですが、それが赤裸々に語られている作品です。主人公は、筋肉質な肉体・血・死を好んでいて、幼い頃からそういったものへの興味関心は人一倍ありました。そして成長するにつれて、女性を好きになれないことに危機感を持ち始めます。
異性を愛せないことへの苦しみがひしひしと伝わってくる作品です。近年はLGBTへの理解を深めようとする動きがあるので、そういった人たちの気持ちを知るためにも、一度読んでおいて損はないと思います。
『金閣寺』
ページ数 | 384ページ |
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出版年 | 2003年 |
出版社 | 新潮社 |
金閣寺の美しさに嫉妬した僧侶が、金閣寺を燃やしてしまうという物語です。1950年に実際に起きた犯罪をもとに、三島が犯人の動機などに脚色を加えて執筆されました。
吃音(きつおん)という障害を持つ犯人が、自分は手に入れられない「美しいもの」への嫉妬を強めていく様子が、なんとも猟奇的です。
『潮騒』
ページ数 | 224ページ |
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出版年 | 2005年 |
出版社 | 新潮社 |
漁師と海女の純粋な恋愛が描かれています。三島は、同性愛や複雑な人間関係をテーマとした作品を多く残したのですが、その中で『潮騒』だけは異質です。
都会から遠く離れた島で、漁師の主人公は見慣れない少女と出会います。2人は惹かれ合いますが、数々の試練が彼らを待ち受けていたのでした。無垢で穢れのない純潔な愛に触れたい人におすすめです!
最後に
今回は、初心者におすすめしたい三島由紀夫の作品をご紹介しました。
この3作品は三島の代表作といえるものです。彼はノーベル文学賞にノミネートされたこともあり、世界的にも有名な作家なので、日本人としてぜひ読んでおきたいですね!