「読書女子・男子に憧れるけど、活字を見てると眠くなる……」という悩みを抱えている人は多いのではないでしょうか?
今回は、小説の読み方のコツや読書嫌いの対処法をご紹介します!
Contents
小説の読み方のコツ
①疑問を持って読む
私は、ただ何となく読み進めるのではなく「ここにこの一文がある理由は何だろう」「主人公はなぜこのような行動を取ったのだろう」というように、疑問を持ちながら読むことを意識しています。こうすることで、小説の主題や構造が見えてきます。
例えば、芥川龍之介『蜘蛛の糸』では、生前に蜘蛛を殺さなかった男が釈迦に評価されて、地獄から天国へ行くチャンスを与えられました。しかし、私はここで「なぜ蜘蛛を殺さないことが善なのか」と疑問に思いました。
また、「誰が蜘蛛の糸を切ったのか」という問いを立てながら読みました。このように、疑問を解決するというスタンスで読むと、受動的ではなく積極的に読むようになるため、内容の深い理解につながると思います。
②感じたことに正直になる
小中高の授業や試験では、「作者が言いたいこと」を読み取ることを求められたと思います。しかし、私は「作者が何を伝えたいか」よりも「何が書かれているか」を考えることの方が大切だと思います。
同時に、自分が感じたことと向き合うことが重要です。私は、人物の行動や言動を受けて思ったことを直接小説に書き込むようにしています。
そうすることで、あとで見返したときに、当時の自分が考えていたことと今の自分が考えていることのギャップを楽しむことができます。
試験には正解はありますが、個人的に読む小説の読解に正解はありません。自分の好きなように読めばいいので、「こう感じたのは間違いかも……」というような思いを抱く必要はありません。
読んだときに出てきた生の感想を大切にすることで、オリジナルの読みができると思います。そうすることで、もっと自由に、もっと楽しく小説を読めるようになります。
読書嫌いの対処法
①オーディオブック
「活字が苦手」という悩みを抱える人には、オーディオブックをおすすめします。オーディオブックとは本の朗読音声のことで、パソコンやスマホ等の端末で聴くことができます。
通勤通学中や作業の合間に聴いたり、ラジオのように流したりするなど、様々な楽しみ方ができます。音楽感覚で聴けるので、活字が苦手でも手軽に小説に親しめます。以下に、オーディオブックの3つ主要なアプリをご紹介します。
Audible(オーディブル)アマゾン
料金(月額) | 1,500円 |
無料体験期間 | あり(30日間) |
特徴 | 洋書や英字新聞にも対応 |
Audibleでは、30日間の無料体験終了後、月額1,500円で40万冊以上タイトルを聴くことができます。洋書や英字新聞もそろっていて、他にはないラインナップの豊富さが魅力です。
AudibleはAmazonの関連会社で、Amazonアカウントでサインインできるので、Amazonユーザーは面倒な手続きなしに登録できます。
audiobook(オーディオブック)
料金(月額) | 聴き放題プラン750円 月額プラン550円~33,000円 |
無料体験期間 | あり(30日間) |
特徴 | ライフスタイルに合ったプランを選べる |
audiobookには、月額750円で聴き放題のプランと、オーディオブックの購入に使うポイントをお得に購入できる月額プランがあります。聴き放題プランは、30日間無料体験できます。
2種類のプラン・細かい料金設定が用意されているので、予算やライフスタイルに合わせられるのが魅力です。
ジャンルを問わずいろいろなオーディオブックを聴きたい人には聴き放題プランを、聴きたいオーディオブックが決まっている人には月額プランをおすすめします。
kikubon(キクボン)
料金(月額) | 無料(都度購入) |
無料体験期間 | なし |
特徴 | SF・ミステリー・ファンタジーに特化 |
kikubonは、1つ買うごとに料金が発生する形態で、SF・ミステリー・ファンタジーのオーディオブックを取り揃えているという特徴があります。無料で聴けるオーディオブックも充実しています。
②好きな作家・ジャンルを見つける
「読み始めてもすぐに飽きてしまう」という悩みを抱える人には、好きな作家や好きなジャンルを見つけることをおすすめします。興味がないから飽きてしまうので、自分が進んで「読みたい!」と思える作家やジャンルを、根気強く探す必要があります。
以下に、主要な文学のジャンルの特徴と代表作家をご紹介します。
おじさんたちの罪の告白(自然主義) | 田山花袋(たやま かたい) 島崎藤村(しまざきとうそん) |
退廃、非道徳(耽美派) | 永井荷風(ながい かふう) 谷崎潤一郎(たにざき じゅんいちろう) |
明るい、前向き(白樺派) | 有島武郎(ありしま たけろう) 志賀直哉(しがなおや) |
探偵小説 | 江戸川乱歩(えどがわ らんぽ) |
③場面を想像する
「実用書など小説以外の本は読めるけど、小説は苦手」「登場人物に感情移入できない」という悩みを抱える人には、場面を想像することをおすすめします。以下に例を挙げます。
ある日の暮方の事である。一人の下人が、羅生門の下で雨やみを待っていた。広い門の下には、この男のほかに誰もいない。ただ、所々丹塗の剥げた、大きな円柱に、蟋蟀が一匹とまっている。(芥川龍之介『羅生門』)
上の文を読んだときに、「雨の降る夕方(あたりは薄暗い)、赤い門の下に男がたたずんでいる」ところを頭の中で想像するのが、場面を想像するということです。
これは、小説とそれ以外の書籍の決定的な違いだと思います。小説以外の書籍は、文字を追うだけでよかったり、写真や絵がついていて創造力を働かせなくてもよかったりします。
しかし、小説では「文章を絵(映像)に置き換える」作業が不可欠です。それをしなければ、小説はただの文字の羅列です。文字を眺めているだけでは当然飽きてしまうので、ぜひ場面を想像することを意識してみて下さい。
④読書仲間を増やす
「1人じゃ長続きしない」という悩みを抱える人には、読書仲間を増やすことをおすすめします。感じたことや思ったことを共有すると、その楽しさは倍増すると思います。
また、同じ本を読んでも人によって感じることは違うので、意見交換することで「そういう読み方もできるんだ」と新しい発見をすることもできます。
読書会に参加したり、インスタグラムやツイッターなどのSNSで読書用のアカウントを作って、多くの人とつながっておすすめの本の紹介をし合うのも楽しいです。
読書メーターというサービスでは、SNSを使わずとも他の人が読んだ本の感想を見ることができます。同時に、いつ・何を・どのくらい読んだかをグラフで記録できるので、自分の読書量を管理することができます。
⑤選書サービスを利用する
「何を読んだら良いか分からない」「本を選ぶ時間がない」という悩みを抱える人には、選書サービスをおすすめします。選書サービスは、好みや予算に合わせて本を選んでもらえるサービスのことです。
お金がかかる場合がほとんどなので、「お金がかかってると思ったら頑張れる!」という人にもおすすめです。ウェブやメール・対面での読書歴等のアンケートを実施した後、条件に合わせて選書されるという流れになることが多いです。
サンクチュアリ出版の選書サービスは、無料なのが特徴です。リンク先のアンケートを送信するだけで選書してくれます。
双子のライオン堂の選書サービスは、アンケートではなく本棚の写真を撮影して送信するというユニークなものです。3ヶ月のプランが9,150円(うち8,250円が書籍代と送料)で、月に1度選書された本が自宅に届きます。
一万円選書は、北海道にある書店が行っている選書サービスです。店主の岩田徹さんが1人で選書しています。2018年には「プロフェッショナル 仕事の流儀」で取り上げられた人気のサービスであるため、年に数回の抽選で当選した人だけが選書を依頼できます。
抽選は毎月行われるそうなので、ホームページやFacebookをこまめにチェックしてみて下さい。抽選の申し込みはホームページからできます。
⑥形から入る
「読書のモチベーションが上がらない」という悩みを抱える人には、周辺グッズを揃えて気分を挙げることをおすすめします。しおりやブックカバー、読書灯、クッションなど、読書が楽しくなるグッズは日々進化しています。
「読書記録しおりワタシ文庫」は、大人心をくすぐる貸出カードのようなしおりです。しおりだけでなく読書記録としても使えます。1セット3枚入りで、ネイビー・ピンク・グリーンの3色展開です。
「ブックダーツ チョコラベル」は、紙を挟んで使う金属製のしおりです。このしおりのユニークなポイントは、読み終えたページではなく行にマークを付けられる点です。付箋のようにはがれる心配がありませんし、75個入りなので個数を気にせず使えます。
「ファイバーペーパーブックカバー」は、不織布を使用したブックカバーです。紙のような質感がありながら、紙よりも丈夫なので長く使うことができます。ハイセンスな英字新聞風のデザインなので、外に持ち出したくなります。
「東京カートグラフィック ブックカバー」は、エコな素材として注目されている、石を原材料としたストーンペーパーが使われたブックカバーです。
普通の紙より破れにくく、耐水性に優れています。さまざまな厚みの本に対応しているので、使える幅が広いのが特徴です。
最後に
今回は、小説の読み方のコツや読書嫌いの対処法をご紹介しました。
他の書籍にはない小説の一番面白いところは、「全部ウソ」というところだと思います。
実在しない人物の物語を書くことを仕事にする小説家がいて、それを研究することをライフワークにしている研究者がいて、作中人物と一緒に泣いたり、怒ったりする読者がいます。
そのような小説の特性に目を向けてみると、もっと小説を読むことが好きになると思います!